自動筆記2 (シュルレアリスム)

雨が降っている。

古い複葉機で低空を飛んだ。

夕方のハイウェイを走らせるみたいにして。

機内はお洒落なジャズが流れていた。

気が付けばキャンバスに油絵を描いていた。

真っ白い灰色の正方形のアトリエで。

夢の中では、食欲は存在しない。

あるのは、睡眠欲に似た性欲だった。

3人の裸婦を描いた。
黒は使わずに

代わりに緑色を使った。

とってもきれいな婦人。

婦人の心までは描けないし、おそらく描きたくもない。

女をオブジェにしたと、フェミニストは憤慨するだろう。

そんな女は厄介だ。ブタ女!

雨が降って

街は裸になった。

自動筆記を教わったけれど

考えてみれば、昔からずっとやってきたことだった。

古本の匂いと、体臭と、薄明かり。

下手なピアノに目覚めると

ぼくは蜘蛛になっていた。

蜘蛛は巣をはって、孤独のやさしさにいた。

ワルツの揺りかごが、午前の低気圧を窓越しを憂いて

二拍子になるのを待つように

眠りに落ちた。

深い谷で吹くような口笛の響きが

変ホ調で鳴いた。

シュルレアリスムは、現実に触れると

蒸発する!

物質が

反物質に触れると

消滅するのと同じ

現実は、もうひとつの現実を許さない。

許されるために、皆、商標に

翻訳されて果てた。

その不条理に耐えかねたアーチストとやらは、

軒並み

自らを消滅させる。

そこで、人々は、ようやく目が覚める。

彼がやっていたことはなんだったんだろう?

私は今まで何していたのだろう?

と。

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