二月パスピエ

ドビュッシーを遠くに聴きながら、どこまでもどこまでもわり算するように髪をすすいでいる浴室、シャワーにさえぎられても尚、想念は先走り続け、置かれた肉体は黙々と単純作業を引き受ける。

水回りには、木片とガラスを集めて愛でて、緑色の呼吸を差し向け、美しさを願い、それでいて何をするでもなく日を終えるにせよ、半分浸かった魂のぬかるみに、もう一方も跨いで入り、ゆっくり身を意識と交接しながら閉じていく。

明日もとい朝が来るなんて信じられないほど、今、いまが次々消えいくこと(まるで泡みたいだ)に焦燥するけれど、閃光に焼き付く思い出の影絵を辿っていけば、出会いきれると信じているから、寝てしまって大丈夫。

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