睡眠脈

夜、更けるうちに、睡眠脈が育ち、夢が一定の現実を占める。女にまたがられ抱きしめられるたび遠くなる。魂の行方に掛け合っているだけでしょうか。物理学の外側にあるイデア界に交差する魂の抱きしめが性器をジンジン刺激している。ぼくは何もできない。水面下で男は客体化していた。ぼくは完全に見ているだけだ。あるいは、快くおかされている。ぼくはひたすらに感じていただけだ。睡眠脈がほどけた午前の明るみには、気化する余韻。それとえぐれた空洞の虚無が内蔵の深くまであり、むくり起きあがり、喉仏はコップ一杯の水を欲した。

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