ブライアン

実家の書棚から2008年に買った文學界を見つけた。川上未映子は、美人で、ああいう女よいなあと確実に思う。ここ数日、堀北真希の結婚に、ぼくは内心落ち込んでいる。美人は、好きだけど、だからやっぱり嫌いで好き。嫌い。嫌い。好き。秋になってしまったらしい。虫食いのような思考で、飽きっぽい夢追いのなか、それでもって希求する、ことば探しは、おいそれと喉を通らないけれど、音楽と友好を結んだぼくらは意味の妨げも巻き込んで、字の如くrock'n'rollと書いてそこに、詩を見いだすし、それをシュルレアリスムと読み替えることだって可能なんだ。ブライアンジョーンズが憑依してきてぼくに言う。きみもじき27かって。ああ、そうさ。ようやく詩集ひとつを作り終えたばかりだが、ぼくの文学的仕事は、後から次第に評価を受けるものだ。そこで、また我に帰る。普段の、いわゆる日銭のための、生活のための労働に、かかずらわることを、疎ましく、そして、悲しく思って、どうにもならなくなってしまった。ぼくの生はどこにあるのか?なんて、お花畑の頭で虚無を反芻するような、とるに足らないわり算は夜に共鳴して、孤独に割れる。女を買ったあとの何ともいえない、あの肉体と精神の歯車が噛み合わない感じ。つかず離れずの魂が、ほどよく言葉の嗅覚に冴え、捕まえて放さなかった幾ばくかのフレーズが、絵画的倍音をして映画的余韻を成したような…。
このあいだ話した美人は、あんなに美人だのに彼氏が三年以上いないなんて、いったい何を抱えているのだろうと、その日の夜遅くまであれこれ考えてはみたものの結局何にもならなかったけれど、その無駄がどれだけ豊かなものかを思うと、うっすら笑えてもきたりして。夜はそのうちにほどける。朝になれば、さっきまでの夜さえ信じられなくなるんだ。ぼくらはうかつな夢をみている。つまらない現実から抜け出せない類の夢を。カッコ悪いが、ぼくは実践的にそれにはむかっている。

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