愛と暴力

ひとひとり愛して
ひとふたり愛して
ひとさんにんよにん愛して
愛は薄まるわけじゃないのに
もっと、おれは、たくさんを愛したいのに、ちっぽけな理屈がおれの愛を小さく完結させようとする
愛を所有して
愛を閉じ込めて
いつしか愛はいじけてしまって
そうして内なる愛は本質的に目覚めだしていく
おれの肉欲はたしかに乱暴だ
だが、それにも増しておれはすんでのところで自分に誠実であろうと思ってきた
ひとひとり愛するだけでほかを愛せないのでは、そのひとりへの愛もどことなく欺瞞にも思えてくる
これは、エゴであり、言い過ぎなほどのエゴであり、しかし、百歩譲っても、手渡せない真実でもある
おれはそんな夜、自分の乱暴なエゴに殺されそうになるし、おれを殺してくれと叫びたくなるのだ

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