やさしく象にふまれたい

『やさしく象にふまれたい』(七月堂)を二○一五年八月八日に刊行しました。

これは、オノツバサの第一詩集で、二○一○年から二○一五年の五年間に書き溜めた詩文から纏めたものです。ずっと詩集を出そう出そうと思いながら、二六歳でようやく準備が出来たのでした。

さまざまな詩が三章に分かれ四十篇収録されています。難しいものもありますが、全体的に平易な文章で書いたように思います。取り留めのない佇まいが小さく刻まれていて、筋のない一節が並んでいるので、読者は躊躇いがあるかも知れません。

ただ、これらの文章は、何回の読みの咀嚼に耐えられるしたたかさを持っているはずで、飲み込んでしまったあとはそれが音楽であったことに気付かれると思います。いわば、音楽の逆になっています。

音楽は、音という印象から始まるのですが、これらの詩文は音という印象に落着します。そして、遅れて意味内容がやって来るのですが、やはりそれはあってないようなもので、読者の所感によって補填されるほどに、確実な意味内容ではありません。

何度も書きますが、ぼくの詩は、何回も読めます。最初からずっとずっと読めるのです。なので、本棚に並ぶよりも、枕元やトイレの便座脇、喫茶店や雑貨屋になんとなく置かれているのが、その性質上向いていると思います。

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