筆洗

冬の朝。
水彩の筆洗のように、ゆらゆら揺れて、ほどけていく紫煙。
網膜に映る静謐な景色に、このまま身を溶かしていけたらよいのに。
浅瀬に沈む澄んだ砂利を掬い
義務に欺く日常を具に剥がし、冷たい風に晒す。
見てごらん。
青が黄色か分からないくらい透明。
透明の色。
光の色。

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