無重力は重力に憧れている

無重力のなか、浮いている天体は、途方もない時間、あくびするのもイヤになるくらい、漂っている。傍観者は哀しく生き続け、死を楽しむ彼らにそら恐ろしさ以上の色気を抱いている。無機質は有機質に。有機質は無機質に。互い違いに、別個の、片想いを抱いている。永遠は、晴れている。生の快活さの果てに陰りを訴求するのは、下り坂が上り坂以上に、億劫だから。そうやって見えない相克が、釣りあって見えた満月が片時、空をぽっかり飲んでいた。

著者