点P

宇宙のどこかの点Pは、窓の向こうにあった。掛け値をつけたセカイがすぐそこまで迫っていた頃、多くが流されることを流儀とし、その切れ端にしがみつくことに自らの生活を刷り込んでいた。隙間から微かに漏れる、息継ぎする嘗て自分だった個体の肖像を何度もなぞり、心の位置を割り出し、いつしかぼくは大人になっていたのだ。

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