夢や恋について

人間の暮らしは、人間の仕事で出来ている。

人間の仕事は、人間を生かすために培われてきた。

ぼくたちのまわりに広がる風景のほとんどは、人間の手が加えられている。

この人間の世界で、生きていけるようにぼくたちは小さな頃より生きていくための勉強をする。

国語、算数、理科、社会。

ぼくたちは、生きていくことに関しては、まもなく慣れて、ある程度、安心する。

そして、人間にとって退屈が、生きていけないことと同じかそれ以上、嫌なものだと気づいていく。

そこで、重要なのは自分の好きなものと向き合うことと悟る。それこそが自分の救いだと悟る。それなしに生きていくこの生に、いったいどれくらいの価値があるのかと思うほどに。

恋をするということ。それが一介の人間のほぼすべての生きていく目的すべてかもしれない。恋以外にも、他にたくさんあるという人もいる。本当にそうだろうか。その人は嘘をついている。歳をとろうと、結婚していようと、幼い子どもでも、みんな夢を見ているし、恋をしている。恋をしている人の世界はいつでも新鮮に彩られている。夢や恋は穏やかなものではなく、生きていることを脅やかすような力と拮抗している。夢や恋から逃げると、どうでもよいような退屈なタスクばかりが残る。ひとの夢や恋愛をのぞき見をして、あれやこれや意見を言いたいだけ言って、退屈を凌いでいる。それは仕方のないことだ。夢や恋はすばらしいものだけれど、とても扱いの難しいものだから。

人間の暮らしの器のなかには、夢とか恋が渦巻いている。

その彩りは明るい色ばかりではなく暗い色もたくさんある。

それらには目的はなくって、一瞬一瞬がそうなのかと思えるくらい。

著者