汀に似た町

毎年、冬になると泣きいるように逆光の汀に似た町を見つめるのです。通りぬける青に洗われていくその路を歩く空気感で虚無と虚無ゆえのからっぽな多幸感のようなものにまみれておりました。そこで剥き出しの膜が透明な雲を作って時間を泡にしていくさなかノケモノのように明瞭りと眼差しておりました。

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