隙間

片手に磁石を与ってしまって、それ以来、時計は時間を離してしまって、息つぎをするその隙間に、光が影を得ようと静かな記憶の眠りに触ろうとする。みにつまされる虚無のぬくもりがあたかもそこに在るように、透明のデッサンで午前の木々が青を語る。冷えて燦々と風に差す指先を覚えている。

著者