帰る場所がほしい

またひとを困らせて
壁に寄りかかって安心しようとした。
空が広いね。と言った、その空は
曇っていて
電信柱にも美しさがあった。
ことだまを打ちあうように
分かち合おうと決めたひとと
もっとながく、いっしょに居られたらよいのに。
そんな朝を思い出して
苦いコーヒーを飲むと
シビアな数字に刻まれる時間がやってくる。
そうだね。
夢中になれたら、そこには誰もいないから、或いは何も変わらないね。
でも、ぼくは、帰る場所がほしい。
だからだと思う。

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