三ノ輪

アタマがしずかになって
かわりに、脈がじんじんして
かと思うと、からだがなくなったような感じになる。
そんなことを繰り返すうちに
どうしようもなく眠くなってあしたに融けこむみたいに肌をひらいた。


適度に人生に絶望したやさしさ(隔たりの少ないというか、もの音ひとつにいやみの伴わない並走感を分かち合えるような)すぐそこにいるもうひとりのじぶんのような・・・。

夕ぐれ過ぎの、灯りを付ける前の、うす青いそらを写した室内のいろが、空き瓶の底のようで、わたしは、いつも、孤独の在りようを、そういうブルースの、一切のなまぐささのない、風通しで、見わたすかぎり、脳に宿している。
 

わたしは出来るだけ、丁寧に、出来るだけ正直に、声を立てて泣けるように、歌い方や言葉の並べ方を試した。


わたしは、わりとすぐ近くでつながっているような
それでいて、いつでも会えるわたしをある程度放っておいて
じぶん自身の真実の絵を
見つけようと夢中になっているようなひとに
わたしを抱いてほしいと想うのだった。
一日のうちの
ほんの十分の一かそこいらくらいでよいから。
わたしの名前を呼んでほしい。

わたしがひとりでしきりにわたし自身をかばうことよりも、はるかに貴いことに感じられて
そういうところに還っていきたいのだと思うのだった。

著者