裸足で歩いて

切実さだけがとうめいだった。それにしても。そんなに容易くことばをあつらえて、けがらわしい。そう思うに違いない。にげるような一筆書きの落書きに脈が生き継いでいるのを信じている。信じているから、それ以外を捨てるのだ。そんな不器用を美徳と呼んで、痩せてしまうのは、恥ずかしい。たしかにね。まいにちが化石になって。地層奥深く埋もれて、窒息のさなかに、地上のそよ風に想いを馳せること。わたしはとうめいを想う。とうめいを想う日々は硬化して遺ろうとする。わたしはそのほとんどを捨てて、ひとは不毛と笑うけど、わたしは一切笑わなかった。

著者