ぼくは詩人なんだと思う

思い出せる限り、はじめて書いた詩と思って書いた詩は、小学五年生の担任の先生との連絡帳の端っこに記したものだった。犬の詩だった。犬を飼っていたわけじゃないけど、さみしい犬の気持ちを書いたもので、先生に褒められたのが嬉しかった。次に思い出せるのは中学一年の頃で、誰に頼まれるでもなく膨大な量のコトバが湯水のごとく出てきて止まらなくなっていった。それは、思春期特有の誰もが通るようなものだと思うけれど、その思春期がたぶん、この歳になってもまだ抜けきっていないようなのだ。いまだにぼくは、腫れぼったい恋みたいな憂鬱な高揚を抱えていて、年甲斐もなく何をやっているのか。大人の洗練された遊びになるには一向に脇が甘く、かと言って純粋な動物でいれるほど幼くもなくなってしまったというのに。そうは言うものの、ぼくはそういう自分を何処かで毎日祝福している。変わっていくものと変わらないものを片時、その両方を手に入れてしまうような、つまびらかな情感が身に食い込んでくる。

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