アンニュイ棘

とるに足らない深刻な迷いを漕いでいる。目をあけて眠っている人びとを、心臓のない休まぬ電車が連れていく。意味は臭くて、愚鈍は五月蝿くて、ぼくは一昨日の夜、ノイローゼを愉しんだ。

ひとは、生きていくし、ひとは、死んでいく。ひとは、そうして営んでいる。実際、死よりも退屈を恐れている。死は、退屈ではないから、命を大切にするために、死のうとする。

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