牛さん

田舎の牛さんのにおいのする小径のソラはひろくのっぺらとおい。牛さんは低い声で大きな顔を近づけてぼくのからだを嗅いでいたっけ。お気に入りの箱庭からいつか出る日を夢見ていた。土のにおいを忘れるのはいのちを忘れたのに近いのだろうなと。

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