二十一世紀

目醒めていない感覚が一日の大半を覆いそれが一週間一ヶ月一年十年と連なる。透明だったフィルターは半透明になり乳白色になりかろうじて外界の存在が朧げながら認められる程度にとどまる。そうして、内側には呼気が滞留して二酸化炭素に燻されているが如くの温室の微睡みにいよいよ世界そのものを失わせようと悪魔はやさしく囁くのであった。認識の餌となるのは傷みのない仮想現実であり、唯一、労働の汗にこそ現実を求めるようになる。

 

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