狂気が脳内にある

世界中の喜びや悲しみを飲み込んで消化できるほどぼくはタフにできていない。

時代の空気を吸って吐きだすだけの文章書きでさえ、時に胸が詰まるのだから。

けれど、詩人の仕事が人文学の中枢神経なら、ぼくは悪魔に魂を売りたいと思う夜がある。

未だ甘噛みをして反芻するだけに留まっている詩作はひとえに自分の臆病さ以外のなにものでもない。(まだまだもっと深みに深度を取って良いはずだ)

ぼくは、ぼくという体質を持ってその世界をものにすることからはじめていて、それ以上何を望むのか、日夜自問自答を繰り返している。

虚しい表現に陥らないために、愛の力を信じたいと思う。それは、現実世界の行動とリンクする現実世界に与する言語の力の方面である。(ちょっと何言ってるかわからない)

完成された閉鎖的な村になるのも

誰もいない淡白で美しい廃墟も

人間の幸福のほんの一側面に過ぎない。

違う。

表現は、最終的に、祝福を(それが悲劇でさえ)孕んでいなければならないと思う。

著者