山口宇部

空を飛んだ。高度二〇〇〇メーターくらいまでが飛んでいて楽しい。高度八〇〇〇メーターあたりでは雲の上の雲の上で、もうヒトの飛ぶところではないように思った。実際は、新幹線のほうがよほど揺れる。だから、新幹線の車内だと思えばなんてことないのだけれど、ガコンと揺れたところが、遥か上空であることを思うと五臓六腑が宙ぶらりんな心地がして、早く地上に足を着きたくなる。そう、浮いたり沈んだり傾いたりで、心の中で、機長頼みますよ。と何度もお祈りをするのであった。

山口宇部は、雨である。雨雲というのは上空から見ても黒いものなのだ。荷物を受け取り、売店ですぐ傘を買った。今年、何本目の傘だろう。下関行きのリムジンバスには僕のほか二人しか乗っていない。あたりはすっかり暗くなっていて、ここが山口であるという実感はない。(飛行機から瀬戸内海と四国と九州が見えた気がしただけだ。本当かどうかはわからないけれど)

滞在中はどうやらずっと雨のようだ。風邪など引かないようにしよう。

 

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