美しい言葉を探している人は案外多いけれども

美しい言葉こそが詩であると思う一方で、美しい言葉が載っていない詩集が多いことに、少し賢い人はずいぶん前から気づいている。そして、世の中にそこまで詩人が存在しないということも。

美しい恋愛が映画や小説でたくさん描かれている一方で、そんなに素晴らしい恋愛経験のある人が少ないのは、そこに自らの憧れを投影していることを表している。

作家は、人びとの需要を満たさなければならないから、美しい言葉の載っていない詩集を人びとは勿論買わないし、だから、詩集は売れない。

そういうふうに、自戒を込めて事実ぼくは自分の創作と向き合っている。

逆にいえば、美しい言葉の載った詩集が存在すれば、それは間違いなく売れる。読者は作者よりもある意味で鋭い。売れるということは、愛されているということと同義で考えてよい。

 

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